ラベル

2014年2月3日月曜日

ウルフ・オブ・ウォールストリート (2013・米) [8.0/10]

久々に映画館で映画を観たので、久々にブログを更新しようと思います。

就活で映画を観る時間がないと言っているうちに今年度のアカデミー賞も決まってしまうので、せめてこの「ウルフ・オブ・ウォールストリート」と「アメリカン・ハッスル」くらいは観ておかないと立つ瀬がないなと勝手に思い立ち、公開翌々日にとりあえず前者を観てきました。

監督はご存知マーティン・スコセッシ。代表作はデ・ニーロ主演なら「タクシードライバー」、ディカプリオ主演なら「ディパーテッド」でしょう。
主演は、スコセッシとのタッグは実に5度目(前作は「シャッター・アイランド」)のレオナルド・ディカプリオ。近年の彼のシリアスな役柄とは今作はかなり離れていますが、喜怒哀楽が激しく、ヤク中であるジョーダンを素晴らしい演技で演じきっています。「ジャンゴ 繋がれざる者」ではただの嫌な奴でしたが、「華麗なるギャツビー」のめちゃ大富豪かつ心に闇をどこか抱えている男、という役は少し今作に近いかもしれません。

今作はジョーダン・ベルフォートの「ウォール街狂乱日記 -『狼』と呼ばれた私のヤバすぎる人生」という回想録をもとに作られた半伝記映画。しかしながら内容はコメディ映画に近く、3時間という長い上映時間も僕はあまり苦ではありませんでした。スコセッシイズムも随所に見受けられ、主人公がナレーションをする、ここで必要なのかと思うスローモーション、舞台がニューヨーク等々。脚本に着手したのは「シャッター・アイランド」以前だったそうですが、権利諸々で製作開始が遅れ、結局公開は2013年クリスマス(米での公開)となったようです。

ストーリーは、22歳でウォール街にやってきたジョーダンが、いかにして億万長者に成り上がるのかを描いています。
主人公の回想や解説が時折入るので、眠くてもストーリーは見失いません。
ジョーダンが入社した会社はブラックマンデーですぐに倒産し、郊外のペニー株を扱う小さな会社でジョーダンは大きな業績を残します。
その後独立し、街のならず者を集め、彼のノウハウを徹底的に教え込み、彼らは言葉巧みに金持ち相手にペニー株を売りつけまくり、彼の会社はウォール街に知れ渡って行く。
しかし名声や成功と没落は表裏一体であり、彼の人生も後退していくかに見えた。
が、彼は戦うことをやめず皆を鼓舞することを最後までやめなかった。
この映画は90年代のニューヨークを克明に写した映画だと思う。
野心や欲望を剥き出しにした男たちが溢れかえり、狂乱渦巻くウォール街。
これの現代版が「ソーシャル・ネットワーク」といったところか。
現在にはないこの狂気に近い熱気を、セックスやドラッグを通して私たちに伝えてくれている。

ちなみに禁止ワードの登場回数は500回を超え、「パルプ・フィクション」の比ではない。ノンドキュメンタリー映画では最高回数らしい。
そんな下世話な要素たっぷりの今作だが、アカデミー賞では作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞、脚色賞にノミネートされている。
「ディパーテッド」以来のスコセッシ登壇にも期待したいし、レオ様の初オスカー獲得にも注目が集まるところだ。

話題作だし、スコセッシ映画だし、オスカーにノミネーションされてるし、と軽い気持ちで観に行ったが、想像以上に裕福な時間を享受できたと思います。
ちなみに僕は母親と観に行きましたが、これはオススメしません。
仲のよい同性の友達と是非観に行きましょう。