ラベル

2013年4月23日火曜日

カポーティ (2005・米) [7.5/10]

有名な小説家トルーマン・カポーティが代表作「冷血」を世に送り出すまでを描いた伝記映画。
第78回アカデミー賞では5部門にノミネートされ、フィリップ・シーモア・ホフマンが主演男優賞を受賞している。
「遠い声 遠い部屋」や「ティファニーで朝食を」で名声を手にしたカポーティが、1959年に発生した一家惨殺事件の記事を新聞で目にするところから物語が動き、その事件に興味を持ったカポーティは幼馴染のハーパー・リーを連れて現地へ赴き、関係者への聞き込みを中心に取材を始める。
一方事件そのものは容疑者が逮捕され収束の方向へと向かうが、ある日保安官の家に収監されていた容疑者の1人とカポーティは対面する。
そしてその容疑者への取材を続けていくうちに、自らの不幸な境遇と近い人生を送ってきた彼に同情心を寄せ、彼の元に足しげく通い彼との交流を深めていく。
カポーティは自らをただ一人の友人と呼ぶ容疑者の死刑執行が延びることを願う一方で、自身の作品を完結させるために早く死刑が執行されこの事件に終止符が打たれることを願う自分との間で葛藤する。
延期を繰り返した後死刑は執行され、カポーティの完成させた「冷血」はノンフィクション・ノベルという新たなジャンルを提唱し、彼はこの作品で更なる名声を手に入れることになるが、彼はこの「冷血」から作品を一つも完成させることなくその生涯を終える。
この映画はそんなカポーティと容疑者との交流と、彼の中での葛藤にスポットが当てられている。
フィリップ・シーモア・ホフマンがそんな彼の繊細な心情を、これまた繊細な演技で紡ぎ出している。
容姿が本人に似ているだけでなく、彼を想いながらも自らの作品を完成させるために彼を利用し目的を果たそうとする冷酷さ、それぞれの側面とその間での葛藤を浮かび上がらせている。
作品全体のトーンも静か且つ暗く、カポーティという男を一層際立たせている。
「冷血」を完成させるまでの6年間を淡々と描き、ドラマティックな展開がある映画ではないが、じっくり堪能出来る作品です。

2013年4月22日月曜日

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド (2007・米) [8.0/10]

リンカーンが公開したのでこちらを。
ダニエル・デイ=ルイスが二度目の主演男優賞を獲得した映画で御座います。
アプトン・シンクレアの「石油!」を原作としたポール・トーマス・アンダーソンの作品。
第80回アカデミー賞では8部門にノミネートされ、前述した主演男優賞と撮影賞を獲得した。
デイ=ルイス演じるダニエル・プレインビューが洞窟で採掘をしているシーンから始まる。
やがて油田を掘り当て隆興していくある時、新たな油田を探している彼の元にポールという青年がカリフォルニアで石油が地表に湧き出ている場所を知っていると訪ねてくる。
その情報に従い息子のH・Wを連れて調査へ赴き、確信を得た彼は仲間とともに採掘を始めるが、掘り当てた際に起きた爆発炎上事故でH・Wは聴覚を失ってしまう。
ダニエルはやがて息子をサンフランシスコの施設に送ってしまうが、そんな中プレインビューの弟と名乗る人物がやって来て彼と一緒に事業を進めていく。
しかし彼が弟であることは真実ではなく弟は既に亡くなっていたことが発覚し、プレインビューは彼を銃殺する。
また物語のキーマンであり、カリフォルニアにプレインビューが来て以来彼と対立してきたポールの兄で宣教師のイーライは布教のためこの町を離れる。
もうこの段階でダニエル・デイ=ルイスという俳優の素晴らしさを十二分に堪能出来るが、このあとが更に凄い。
舞台は十数年後に移り成功を収めたプレインビューは巨大な屋敷で酒に溺れた生活を送っていた。
そこへ息子のH・Wが訪ねてきて、結婚した彼は妻とメキシコへ行き起業すると告げるが、プレインビューは孤児であったH・Wとは血は繋がっていなく息子でも何でもないと彼を追い出してしまう。
その後彼の元に布教活動を終えたイーライがやって来て、経済的に困窮しているため助けて欲しいと申し出るが、プレインビューは彼を撲殺し、駆け付けた執事に"終わった"と告げるところで物語は幕を閉じる。
ちなみにThere will be bloodは旧約聖書からの引用で、"いずれ血に染まる"という意味。
自らの力で成り上がったプレインビューが没落していく様、また成功の過程で自らの野心と引き換えに他者を切り捨てて行く様が、決して派手ではない舞台とストーリーで刻々と描かれている。
そのプレインビューを演じるダニエル・デイ=ルイスの凄まじさは僕が語るにはおこがましいほど素晴らしい。
人間に内在する欲望や恐怖を体現している。
この映画の彼が与えるインパクトは観る者全員を魅了するでしょう。
余談ですがリンカーンの前作がこれだと思ってたら2年後にNINEに出てたのにビックリ。
勿論映画館に観に行ったしサントラも買ったけどすっかり忘れてました。
是非リンカーンを観たあとにこの作品をレンタルして家に帰ってほしいと思います。


2013年4月15日月曜日

ゼロ・ダーク・サーティ (2012・米) [7.5/10]

ビン・ラディン殺害計画を題材にしたキャスリン・ビグローの最新作。
ジェームズ・キャメロンの元奥さんですねこの人は。
4年前のハート・ロッカーではイラクで活動する米軍爆弾処理班を描き、低予算の映画ながら第82回アカデミー賞において作品賞・監督賞含む6部門を受賞。
そして今作はビン・ラディン殺害に命を懸けるCIAアナリストのマヤを中心に、CIAがビン・ラディンを追い詰めていく様を淡々と描いている。
まず冒頭から中盤にかけてアルカイダ関係者の拷問シーンが続く。
これは後に上院議員がソニー・ピクチャーズに正式に抗議するなど大きな政治論争を巻き起こすのだが、劇中では時間を割きリアルに描かれている。
この時点で今作はアメリカ戦争系にお決まりのプロパガンダ映画ではないと感じることが出来る。
そして物語の中頃にCIAを揺るがす自爆テロが起こり、友人を失ったマヤは自分をとことん追い込みビン・ラディンを殺害することに全ての情熱を注ぐ。
ついにビン・ラディンの潜伏先を突き止めたマヤだったが、CIA長官やオバマ大統領は慎重な姿勢を見せ、時は刻一刻と過ぎていく。
いよいよ2011年5月に殺害計画は決行され、潜伏先のアジトを襲撃する。
ちなみにこの襲撃シーンはリアルタイムで描かれており、一切のBGMも無く、カメラワークも兵士達の目線が中心になっており、実際に自分がそこにいるかのような緊張感が味わえる。
この緊張感はアルゴの比ではなく、ここ最近観た映画では群を抜いていたと思います。
最終的に皆さんご存じのようにビン・ラディンは殺害され、CIAは面子を保ったことになるが、マヤの心にはぽっかり穴が開き、空虚の中涙を流すシーンで物語は幕を閉じます。
今作の特徴は脚色が派手ではなく淡々と事実の一面を積み重ねていく点。
これもまたオバマ大統領から機密情報へのアクセス権をビグローが得ていたと報じられ話題になった。
また主演のジェシカ・チャスティンの演技は文句の付けようがなく、個人的な今年の主演女優賞は今のところ彼女です。
当初は作品賞も大本命と言われていたが、種々の政治論争を巻き起こし、アカデミー会員が投票しにくい状況になってしまった為、結局音響編集賞の受賞のみになった。
同じように史実を扱った映画にアルゴがあるが、遙かに今作のほうがずっしりと重い。
全編に漂う緊張感が終盤でピークを迎え、瞬きする間も惜しむほどである。
まだ上映中の映画館もあるので是非劇場で堪能してもらいたい作品です。

http://zdt.gaga.ne.jp/

ダウト ~あるカトリック学校で~ (2008・米) [6.5/10]

2008年のジョン・パトリック・シャンリー監督の映画で、自身の戯曲「ダウト 疑いをめぐる寓話」を映画化したもの。
ザ・マスターを週末観るのでフィリップ・シーモア・ホフマン繋がりで今作を紹介します。
ある田舎町の厳格なカトリック学校で皆に慕われるフリン神父。
そんな彼が黒人の男子生徒ミラーと性的な関係を持ったのではないかと、ミラーのクラスの担任シスター・ジェイムズはある日をきっかけに疑い始める。
その疑念を校長のシスター・アロイシアスに打ち明け、アロイシアスはフリン神父を執拗に追い詰めて行く...という内容。
出演者はメリル・ストリープ、フィリップ・シーモア・ホフマン、エイミー・アダムスと豪華な顔ぶれ。
第81回アカデミー賞では主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞、脚色賞にノミネートされたが受賞には至らなかった。
この映画はフィリップ・シーモア・ホフマン演じるフリン神父をメリル・ストリープ演じる超厳格な鬼校長が追い詰めて行く様が凄まじく、特に終盤の両名優の激しい言い争いのシーンは圧巻で、全編通してこの両者の対決が見もの。
とりわけフィリップ・シーモア・ホフマンは冒頭から、良き神父として皆から慕われている顔の裏にどこか不気味さや偽善的な雰囲気を内包しており、彼の演技を堪能出来る。
また二人の板挟みになるエイミー・アダムスの演技も素晴らしいです。
この作品が面白いのはどちらが善でどちらが悪か捻れていて、一見すると校長が善で神父が悪なんだけど、校長の追い詰める様があまりに執拗すぎて擁護出来なくなるほど。
最終的に真相は明らかになるのだが、決してスッキリする映画ではない。
またカトリック学校の日常を描いているので全体的なトーンが暗く、シスター達の夕食のシーンなど無言の場面も多い。
ただ劇中の教会での神父の説教は為になるので興味があったら観てみてほしい映画です。
とにかく出演陣の演技が堪能出来ます。

2013年4月13日土曜日

愛、アムール (2012・墺、仏、独) [8.0/10]

ミヒャエル・ハネケ監督・脚本によるオーストリア、フランス、ドイツ共同制作の作品。
今まで「ファニーゲーム」や「隠された記憶」など人間の負の部分を冷酷な世界観で暴き出し、その世界観故彼の映画はもう二度と観たくないとまで観客に言わせしめてきたハネケが、今作は意外にも夫婦の愛をテーマに扱っている。
この映画は第65回カンヌ国際映画祭でパルムドールを、第85回アカデミー賞で外国語映画賞を獲得するなど各国で高い評価を受けている。
今までの作風とは異なるこの映画を作るきっかけになったのは、自分を育ててくれた90歳を超えた叔母から生きるのが苦しい、こんな惨めな姿を人目に晒したくないので殺して欲しいと言われたことらしい。
ハネケは叔母の遺産相続人だったため社会的な意味でもそれは出来ないと断ったそうだが、病に苦しむ叔母の姿は痛々しく見ていられなかったそう。
この情報はラジオで町山智浩氏の解説を以前に聞いたものなので記憶に誤りがあってもご容赦ください。
内容はパリで暮らすジョルジュとアンヌ、ある日妻が頸動脈の病から手術を受けるが手術は失敗する。
夫は妻の"もう二度と私を病院に戻さないと約束して"との願いを尊重し、自宅で献身的な介護を続けるが日に日に妻の容体は悪化していく...というもの。
冒頭で演奏会に出向くシーンを除いて劇中の120分間自宅のアパート以外のシーンは登場しません。
この映画は丹念もしくは克明という言葉が似合う。
妻の発病から死までそれはまた冷酷なほどリアルに刻々と描いている。
そのためハネケの映画ならではだが最後まで観ていたくない、もう観ていられないと思う人もいるだろう。
確かに鑑賞する際の体力、精神力の消費は普通の映画の比ではない。
しかし愛という観点では最高のラブストーリーだし、今まで二人で歩んできたかくも長い人生の確かさなど光もある。
夫の妻に対する美しすぎる愛は涙を誘う。
この映画を通してハネケが描こうとしていたのは究極の愛、人間誰しも逃れられない死への直面、そしてそのとき愛する人を最後まで愛し抜けるかという問いかけであろう。
とにかく映画自体は素晴らしく、ジャン=ルイ・トランティニャン、エマニュエル・リヴァ両者の演技は卓越している。
見送る者と見送られる者それぞれの心の内を観る者に語りかける。
またカメラワークや劇中何度も訪れる長い沈黙、室内の美術の素晴らしさ、音響などすべてが合わさって人生讃歌とは決して言えないこの最期の物語の礎を築いている。
劇中本編の進行には関係ない夜中の無人の部屋のカットの連続や絵画のカットの連続が印象的。
でも僕はこの映画を観て暗闇が90、光が10という印象を受けた。
人生に希望や光が存在するとは限らず、絶望の深淵を抉り出す映画を作ることはまた難しい。
人間が必ず最後に向き合う死を夫婦の愛を並存させながら正面から描いた今作は、生きている人皆に一度は観てほしい作品です。

http://www.ai-movie.jp/

2013年4月12日金曜日

ボクたちの交換日記 (2013・日) [6.0/10]

内村光良監督がピーナッツから7年ぶりにメガホンを取った作品。
鈴木おさむの小説「芸人交換日記 イエローハーツの物語」が原作。
結成12年の房総スイマーズは鳴かず飛ばずのまま2人とも30歳になり、現状を打破する為には互いの意見をぶつけ合うべきだという小出恵介演じる甲本孝平の提案から交換日記を始める。
状況は少しずつ上向いていくかと思われたが、相方を思う甲本はある重大な決断をする。
そして十数年後、伊藤淳史演じる田中洋平は甲本の娘が持ってきた交換日記を読み、その甲本の決断の裏に隠された真意を知る...というのが大まかなストーリー。
キャストは主演の小出恵介・伊藤淳史に加え、長澤まさみ・木村文乃・川口春奈・佐々木蔵之介らが脇を固める。
監督2作目だが、前作のピーナッツに比べるとかなり真面目な映画という印象。
とても人間臭く、心が温まる映画という点は内村監督ならでは。
また自身が芸人であるからこそ描ける面もあると思うし、劇中のコント等も自身で全て書き下ろしたそう。
夢を共に追う2人がやがて夢を叶える者と夢を諦める者へと別れていく様は、前作のピーナッツで描かれていたテーマに近いものを感じた。
原作がすごくいいだけに、小説を読んでからこの映画を観た人からするとイマイチという意見を何人かから聞いたが、僕は映画が初見だったので普通に楽しめました。
温もりのある映画です。

2013年4月9日火曜日

ピーナッツ (2006・日) [7.5/10]

ウッチャンナンチャンの内村光良が昔から究極の目標と語っていた映画監督に初めて挑んだ作品。
この映画の脚本は彼が書き下ろしたもので、この映画で彼は監督・脚本・主演の3役を務めている。
かつて"伝説のサードと呼ばれた秋吉光一は、自身の執筆活動に行き詰まり帰郷する。
一方その街では商店街の再開発を巡って企業側と商店街側、更には商店街側の中でも再開発賛成派と反対派との対立が顕在化していた。
そんな中帰郷した秋吉は商店街の会長かつ草野球チーム"ピーナッツ"の監督でもある草野務の元を訪れ、草野は企業側が提案してきた再開発の行方を草野球の試合で決める"賭け試合"を行うことを決断する。
そして秋吉と草野は全盛期だった当時のメンバーを集め練習を始め、街の行方を決める試合へと向かって行く...というのが大まかなストーリー。
出演陣は内村に加え、さまぁ〜ず・TIM・ふかわりょうらバラエティ番組「内村プロデュース」でお馴染みのメンバー。
それをベンガル・桜井幸子・竹中直人・小木茂光・奥貫薫・佐藤めぐみら豪華な顔ぶれが支える。
コメディ的な要素も多分に含みながら、心温まるハートフルな内容。
地区大会優勝を遂げた当時のチームを振り返り、懐かしみながらどこか羨望の眼差しで当時を見つめるピーナッツの面々を通して、もう一度あの動機がピュアだった頃の自分に戻りたい、もう一度夢を追いかけていたあの頃の気持ちを思い出したいといった想いが描かれている。
主題歌であるNO PLANの「君の中の少年」(馬場俊英 詩・曲)でも同様のテーマで曲が書かれており、社会にすっかり馴染んでしまった大人たちへのメッセージにもなっているのではないか。
僕は個人的に内村プロデュースが大好きだったこともあり、この映画も一生心に残る大好きな映画の一つです。
今の自分がちゃんとあの頃抱いた夢と向き合っているのか、あの頃のピュアな想いを忘れていないか、そういったことを自分に問いかけさせられる作品。
すごく観やすい映画だし本当に温かみのある映画だと思うので、是非一度ご覧になってください。

2013年4月8日月曜日

ジャンゴ 繋がれざる者 (2012・米) [8.5/10]

イングロリアス・バスターズから3年、タランティーノが帰ってきた。
またパルプ・フィクションから実に18年ぶりにアカデミー賞脚本賞受賞となれば楽しみでないはずありません。
その期待は冒頭で充足され、ジャンゴのテーマに合わせて砂漠を黒人の列が練り歩くシーンが2、3分続くのだが、この時点で面白い映画になるだろうと確信した。
ちなみにこちらがそのジャンゴのテーマ。最高です。


この曲は1966年の続・荒野の用心棒の主題歌です記憶が正しければ。
ストーリーは解放奴隷のジャンゴが賞金稼ぎのドクター・シュルツに賞金稼ぎ、また凄腕のガンマンとして育て上げられる。
その後ジャンゴの妻がカルヴィン・キャンディの大農場に奴隷として買われていたことがわかり、その農場へジャンゴとシュルツは乗り込んでいく...という内容。
この映画は西部劇だが舞台は南部で、黒人の奴隷問題をテーマに扱ったもの。
アメリカ映画でこの問題を正面から描いたものはほぼ皆無で、これだけメジャーな作品でそういったダークな側面を描き出すのはタランティーノならでは。
また過去のマカロニ・ウエスタン映画へのオマージュも忘れない点も素晴らしい。
今回は入り組んだプロットや仕掛けはなく、真向勝負という印象。
相変わらずこの人の映画は上映時間が長くてもまったく飽きない。
お馴染みの過剰な血飛沫、だらだらと続く意味のない会話、タランティーノのちょい役出演など思わずクスッとしてしまうシーンも。
さらに印象的だったのはやはりクリストフ・ヴァルツ。
ディカプリオの嫌な奴っぷりもよかったけど、ヴァルツの演技はイングロリアス・バスターズ以上と言っても過言ではないはず。
見事に今年度アカデミー賞助演男優賞を手にしました。
リンカーンがまだ公開されていないのでまだ何とも言えませんが、個人的に上半期一番面白かった映画になる可能性かなり高いと思います。
オススメなので是非映画館へ。


http://www.sonypictures.jp/movies/djangounchained/

レ・ミゼラブル (2012・英) [7.5/10]

言わずと知れたヴィクトル・ユーゴーの小説「レ・ミゼラブル」。
トム・フーパーのこの映画はこの小説を題材にした映画ではなく、こちらもまた言わずと知れたトニー賞を受賞し世界各国で上演されてきたミュージカル版を題材にしている点が特徴。
ヒュー・ジャックマンの鬼気迫る演技で幕を開け、彼の歌の上手さには感嘆せざるを得ない。
他の出演者も歌の上手さ、演技ともに素晴らしく、今年度アカデミー賞助演女優賞を獲得したアン・ハサウェイにアマンダ・サイフリッド、エディ・レッドメインなど豪華な顔ぶれが揃う。
ラッセル・クロウは巷で酷評されてるほど悪くはなかったけどな。
ただ散々言われていたように曲の最中バストないしは鎖骨から上の、寄りのまま固定のシーンがあまりにも多く、それに耐えうる歌唱力と演技力を持っていたのはヒュー・ジャックマンとアン・ハサウェイの2人だけだったかなと思う。
個人的にはへレム・ボナム=カーターが毎度のことながら抜群の存在感で素晴らしかったと思います。
この映画は再生されている曲に合わせてのリップシンクではなく、すべてその場で撮影しながら録音されている点が最大の特徴であり功績。
これは並みの事ではないらしく、トム・フーパーはやはり身長が高いだけではない。
ミュージカル自体の完成度が高いだけに、劇中の曲も印象的なナンバーが多く、是非とも鑑賞後にはサウンドトラックも手に取っておきたい。
まだ観ていない方は一度は観ておいて損はない作品だと思います。

http://www.lesmiserables-movie.jp/

マルティナは海 (2001・西) [5.5/10]

Huluでたまたま見つけたので観てみたスペイン映画。
小さな港町に高校教師として赴任してきたウリセス。
彼はマルティナという女性に恋をし、やがて惹かれ合い結婚し子供も生まれる。
しかしある日釣りに出掛けたままウリセスは帰らず、彼の乗っていたボートの残骸だけが発見され、しめやかに彼の葬儀が行われる。
数年後マルティナは富豪シエラと結婚し平穏な日々を送っていたが、そこへ死んだはずのウリセスから電話があり、彼女は困惑する。
やがて2人は再び愛の火を灯すが、海の上で悲惨な最期を迎える、という内容。
監督はハモンハモンや裸のマハなどでお馴染みスペインの巨匠ビガス・ルナ。
ペネロペ・クルスを見い出したことでも有名な彼が主演に抜擢したのがマドリード出身のレオノール・ワトリングで、この作品はとにかく彼女の美しさに尽きる。
海と詩がテーマになっており、場面転換の際には必ず海のカットが挿入され、ウリセスの読む詩が物語の展開を暗示している。
官能表現が露骨過ぎず、前半は抑え目だが後半はちょっと多い。
そもそもラブストーリーが個人的に好みではないが、両者を結び付ける強い愛に感動。
ちなみにかなりテンションが上がったのが、クラブで踊るシーンでバックに流れている曲がスキャットマン・ジョンのScatman's Worldだったこと。
とりあえずかなりニッチな作品です。

スイミング・プール (2003・英、仏) [7.0/10]

フランスの新鋭フランソワ・オゾンが放つミステリー映画。
女性推理作家のサラが執筆活動のため静かなフランスの別荘にやって来る。
そこでジュリーという美女に出会い、サラは自由奔放な彼女に興味を抱き、彼女を題材にした作品を創作し始めるがそこである重大な事件が起きる...というのが大まかな内容。
作品を通して重厚な緊張感が漂い、色彩のトーンも淡くて暗い。
ストーリーそのものも謎が多く、全体的に静か且つ暗い。
妄想と現実が交錯し、初見では理解がかなり難しい。
特に最後の最後に物語全体を覆す謎が提示され、ジュリーが一体何者だったのか分からないまま作品は終わる。
題名の通りプールが一つの舞台になっており、水面の反射や水面越しのアングルが印象的。
室内のシーンでも鏡やガラスに反射する被写体を映していることが多い。
また食事をしているシーンで顕著だが、顔の寄りのアングルのまま固定されしばらく動かさない場面も多い。
それに耐えうる両者の演技が素晴らしく、不気味な程両者の胸の内が読めない。
特にシャーロット・ランプリングの怪演が見物で、セリフは少なく表情による演技が多い。
音響も効果的で、緊張感増幅に一役買っている。
この作品は監督曰く、解釈は観客の自由なので劇中の謎は明かされないものが多い。
エヴァンゲリオン的な要素だが、そういう作品を好まない人にはあまりオススメ出来ません。

CSI:科学捜査班 シーズン1 第17話

第17話 心の闇 多重人格

陶器店で死体が発見される。
店内は荒らされており、強盗に入ったものの途中で力尽きたと思われる。
金庫を開けるのに使ったプラズマ・トーチから出所したばかりの被害者の元相棒が捜査線に浮上する。
また店から回収した指紋の中から21年前の事件で採取された少女の指紋と一致する女性の指紋をグリッソムが見つけ、死んだと思われていたこの女性をベガスで捜索する。
似顔絵をテリと作成するが、検死室に来た被害者の娘と会ったキャサリンが同一人物だと気付く。
被害者の頭部の傷に付着していたウランの付いた手袋がこの女性の家で見つかり、容疑者として逮捕される。
しかし彼女が二重人格である可能性が浮上したため捜査は難航するが、精神異常を装った芝居であることが判明する。
だが彼女の両親が保釈金を支払い彼女は釈放、その後姿を消し野放しになる。
一方ウォリックとサラは焼死体を捜査。
この2人の組み合わせは結構多いし息も合ってきた印象。
ちなみにウォリックはニックと組むときに顕著だが、誰かと組んで捜査に当たる際、自分の仮説が正しいと譲らずその証明にかなり執念深い。

2013年4月7日日曜日

アルゴ (2012・米) [8.0/10]

今年度アカデミー賞作品賞受賞の最重要作品。
とにかく全体を通して漂う緊張感、特に終盤の畳み掛けるような一難去ってまた一難の連続が映画館で観ると本当に息を呑むような緊迫感で手に汗握った。
この映画は脚本の面白さってよりも、120分の中でのテンポやリズムが巧いなぁって印象。
前半はゆったりしていますが、トニー・メンデスがイランに乗り込んでからはかなり展開が早くなります。
実際に起きた事件を題材にしていますが、デモの様子から職員の外見まで再現度の高さには脱帽。
アラン・アーキンの存在感は抜群でしたが、ジャンゴを観てしまうとクリストフ・ヴァルツに敗れたのは仕方ないなって感じ。
あとベン・アフレックは髭剃ったほうがいいでしょう。

http://wwws.warnerbros.co.jp/argo/

CSI:科学捜査班 シーズン1 第16話

第16話 氏名不詳の女 ジェーン・ドー (米国放送:2001/3/1)

ショッピングモールの駐車場で女性が拉致される。
その女性は強姦された後道路脇に捨てられていたが生存していた。
しかし頭部を2発打たれており、助かる見込みは低い。
同時に予備審問を4日後に控えた殺人事件の証拠整理もやらなくてはならず、キャサリンとウォリックはうなだれる。
だが肝心な証拠である物品が紛失された為、彼らは初めから捜査をやり直すことを強いられる。
そして証拠を調べれば調べるほど容疑者と目撃者の証言との矛盾が見つかり事件は混沌とするが、根気強い捜査で両者の証言はいずれも真実で両立しうるものであることが実験の結果判明し、検事も納得する。
拉致事件は被害者にサラが感情移入し、かなりの熱量を持って捜査に臨んでいた。
犬を使った捜査で犯人を突き止めるが、未成年のため少年院行きとなった。
被害者は一生植物人間として生きることを余儀なくされたのに対し、容疑者は4年で少年院を出ることにサラは怒りを覚えると同時に、法の不条理さを知ることとなる。

CSI:科学捜査班 シーズン1 第15話

第15話 歪んだ愛 (米国放送:2001/2/22))

大規模な資金集めパーティーが開かれ、保安官も出席していた。
だが中庭のプールで女性の死体が発見され、グリッソムのチームとブラスが現場にやって来て捜査を始める。
ウォリックは捜査の途中で別の殺人事件の現場へ派遣され、キャサリンに苦情を言う場面も。
プールの死体の膣から出た精液は10年前のチアリーダー殺しの犯人のDNAと一致、その犯人チャドは逮捕される。
そのチャドと一緒にいた女性は妻や婚約者ではなく妹で、プールの死体は妹の仕業だった。
またプールでピラニアを見つけたグリッソムはこのピラニアのコレステロール値が高いことに着目し、屋敷の持ち主ポーシェはチャドに殺害された後ピラニアに食べられたことが判明し、事件は解決。
ちなみにグレッグのユーモアが爆発すると同時に、彼の優秀さがよく分かるエピソードである。

CSI:科学捜査班 シーズン1 第14話

第14話 享楽の一夜 (米国放送:2001/2/15)

砂漠で白骨の一部が見つかり、グリッソムとキャサリンはニックと警察学校の生徒を率いて残りの白骨を捜索する。
サラとウォリックはモーテルで出た死体を担当する。
死体の男性はダンサーで、ある女性の独身最後の夜のパーティーに呼ばれていた。
死の直前に性交渉があったことが判明し、死亡時刻も含め最初の彼女達の証言と食い違う。
白骨遺体の方は100個以上の骨を集め、専門家テリの助けも借りながら復元し、歯型を元に身元を突き止める。
その白骨遺体の70代の男性と残された妻の家から、血液反応と切断に使われた電動ノコギリが発見される。
しかし切断したのは死後で、ネバダでは死後の遺体切断は禁じられていないため、妻を逮捕することは出来ない。
結局死因は夫の自らの意思による毒物摂取で、年金の減額がないようにと生前の夫の指示で遺体を切断し砂漠に捨てたと証言、殺人は立証出来ないので被疑者は釈放された。
一方モーテルの事件は、新妻の性交渉の現場を目撃した旦那による犯行であった。
エピソードの最後にグリッソムはテリと食事に行き、いい雰囲気だったが無線で呼び出されてしまう。
せっかくいい感じだったのにな...という感じ。

CSI:科学捜査班 シーズン1 第13話

第13話 大爆発 絶体絶命 (米国放送:2001/2/8)

オフィスビルで爆破事件が発生し、グリッソムとキャサリンが現場に向かう。
その後ウォリックとサラも合流し、非番のニックを以外で爆弾の残骸回収に当たる。
その頃ニックはクリスティが男と揉めてるのを助け、翌日彼女の家に向かうが彼女は殺されており、エクリーのチームが捜査に当たっている現場を目撃し困惑する。
ニックは事件の前日の夜に彼女と関係を持っており、それをグリッソムとキャサリンに正直に打ち明ける。
一方爆破事件は火薬の種類と時限装置を特定し、砂漠で爆破実験を行いながらパイプの種類を特定する。
爆破されたオフィスビルの警備員を容疑者として逮捕するが、時を同じくしてレンタカー店が爆破され、彼は釈放される。
結局レンタカー店の元店主の息子が、父を解雇した会社への報復として行ったものだった。
一方クリスティの事件はニックが逮捕されるのも時間の問題で、キャサリンが保安官に12時間猶予をもらい現場を調べる。
そして凶器のカーテンの紐から犯人のDNAを検出し、やっとニックの容疑は晴れる。

CSI:科学捜査班 シーズン1 第12話

第12話 逆転無罪 逆転有罪 (米国放送:2001/2/1)

家に放火し妻と子供を殺した容疑で拘置所にいる男から、グリッソム宛に助けを求める小包が届く。
その事件はエクリーが担当した事件で、グリッソムが再びその放火事件の現場を調査していく中で2人の関係性はますます悪くなっていく。
グリッソムは拘置所にいる彼に会いに行き、ウォリックとサラも一緒に現場から押収した証拠を調べ直す。
ドアの外枠から男の証言は嘘であることが分かり、本人もそれを認める。
最終的には現場の証拠から本当の出火原因を突き止め、男は無罪となり出所する。
このエピソードはグリッソムvsエクリーの色が強く、彼らの性格の違いなども色濃く話に影響する。

CSI:科学捜査班 シーズン1 第11話

第11話 刻まれた5つの殺人予告 (米国放送:2001/1/12)

スーパーマーケットで女性が拉致される。
グリッソムとブラスが現場に向かうが、トイレに犯行声明のような落書きが残されていた。
ウォリックはモナコのカジノにいたことをグリッソムに咎められるが、カジノには行ったが賭けはしていないと主張する。
事件は被害者も容疑者も出てこないまま残り4つの落書きだけがラボに集められる。
ウォリックとサラは一緒に別の事件の捜査に臨むが、カジノの一件でウォリックを信用していないサラと彼の関係は悪い方向へ。
一方拉致事件では死体が1体発見され、犯人が冷凍車で移動していることを突き止める。
そして配達中のトラックから3体の遺体を発見し、犯人も逮捕する。
残り1人はトラック内に監禁されており、無事に保護された。
またウォリックがカジノに行った理由は賭博ではなく、貸した金を取り立てに行っただけであった。

CSI:科学捜査班 シーズン1 第10話

第10話 死者の悲鳴 (米国放送:2000/12/22)

グリッソムとサラは砂漠で見つかった女性の死体の捜査に向かう。
キャサリンとウォリックは高級住宅街で起きた絵画の盗難事件、ニックはLAに向かう途中に行方が分からなくなった女性の調査を担当する。
砂漠の死体は雨風に晒され、死体に群がっていた虫から死亡時刻を判断する他なく、得意分野でグリッソムが動く。
盗難事件は現場の足跡を元に息子が犯人と判明し解決。
砂漠の死体は身元が判明し、亭主の家を捜索すると血痕が見つかる。
ここで虫を手掛かりに死亡推定時刻を突き止めるのだが、発見されたのは死後3日で夫はラスベガスにいながった為犯行不可能で釈放される。
またウォリックが法廷での証言をエクリーのチームの人間に代わってもらい、自分はモナコのカジノにいたことがグリッソムに知れてしまう。
この後グリッソムが豚を使って実験を行い、毛布が死体にきつく巻かれていたことから昆虫の産卵が遅れる可能性があることを立証するが、これでは陪審員を納得させられないと判断される。
だが状況証拠を積み上げ亭主は殺人罪で無事逮捕される。
このエピソードでグリッソムとサラの距離がかなり縮まったような印象。
今後の2人に注目と思った視聴者は先見の明があるなってことですね。

CSI:科学捜査班 シーズン1 第9話

第9話 高度3万フィートの密室殺人 (米国放送:2000/12/8)

ラスベガス行の飛行機のファーストクラスで殺人事件が発生する。
日の出までの間しか飛行機本体を使えないので、チーム全員+ブラス警部で力を合わせ捜査に当たる。
10人の目撃者は誰も真相を話そうとせず、全体像が見えないまま日の出間近となる。
最後にチーム全員+ブラスで機内でシュミレーションを行い事件の真相を突き止めるが、保安官は立件せず、事件は未解決のまま幕を閉じる。
ブラスが子供をあやす場面が意外でクスッときてしまった。

世界にひとつのプレイブック (2012・米) [8.0/10]

今年度アカデミー賞で作品賞、監督賞、そして主演男優賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞の全演技部門に31年ぶりにノミネートされた話題作。
前半はストーリーにあまり大きな波はないが、後半から終盤にかけて一気に畳み掛ける感じ。
監督はデヴィッド・O・ラッセル、前作はザ・ファイター。
これだけの俳優陣のこれだけの素晴らしい演技を引き出している点で監督賞へのノミニーは当然。
結局受賞したのは主演女優賞のジェニファー・ローレンスだけだったが、ロバート・デ・ニーロもジャッキー・ウィーヴァーも印象的な演技をしていることは言うまでもない。
その中でもブラッドリー・クーパーがハング・オーバーから見違えたように1人の役者として最高の演技を見せていたと言っていいだろう。
精神障害を患い妻への接近禁止命令が出ている危険な夫という難しい役どころながら、最後までまったく飽きさせない素晴らしい演技だった。
本国ではかなりの話題作なので日本でももっとヒットしてもいいと思う。
恋愛模様も家族愛も生き生きと描かれており、心から感動出来る作品だと思う。

http://playbook.gaga.ne.jp/

2013年4月6日土曜日

ライフ・オブ・パイ / トラと漂流した227日 (2012・米) [7.0/10]

とにかく3Dの映像美に尽きる映画。
映像がそれだけ素晴らしいっていうのは勿論だが、逆に言うと脚本や演技等に語るべき点は多くはない。
ストーリーは回想形式で分かりやすく、最後に一捻りあるのが面白い。
劇中に伏線が何箇所かあり、リチャード・パーカーという虎の名前も裏に暗示するような意味があります。
今年度のアカデミー賞では視覚効果賞、撮影賞、作曲賞、そして監督賞の最多4部門を受賞。
アン・リー渾身の1作という気合いは十分伝わってきて、この壮大なプロジェクトをまとめ上げたところが評価され監督賞の受賞に至ったのだろう。
繰り返しになるが映像は本当に素晴らしかった。
よって映画館で3Dで観るのがベストで、Blu-ray発売後に家のTVで観るのではこの作品の本当の価値は分からないだろう。
総合的にエンターテイメント性の高い映画と言えるし、結果として今年度アカデミー賞最多受賞作品となったので、時間があったら観てみる価値はあると思います。
http://www.foxmovies.jp/lifeofpi/

CSI:科学捜査班 シーズン1 第8話

第8話 グリッソムへの挑戦状 (米国放送:2000/11/24)

3ヶ月前に発見された自殺死体と酷似した新たな死体が発見される。
現場状況や遺言の録音など一致する点が多く、同一犯による犯行と予測される。
ニックとウォリックが休憩中にラボでTVゲームをしていてグリッソムに怒られるという仲睦まじい一幕も。
その2人は匿名の通報によって発見された、ダムから落下した車の調査に行く。
見せかけ自殺の方ではテープレコーダーからグリッソムの指紋が検出され、グリッソムに対する個人的な恨みを持つ人物からの挑戦という様相を呈する。
一方ニックとウォリックはお互い自分の立てた仮説で賭けをして自分の主張こそが正しいと一歩も譲らなかったが、結局どちらの仮説も正しくはなく被害者自ら起こした事故だった。
グリッソムの事件は以前会った男ミランダーによる犯行であることが判明するが、事件はこのエピソードでは解決せず、チーム不在中にミランダーがラボに現れたところで話が終わる。
以後このミランダーとグリッソムとの対決はしばらく続くことになる。

CSI:科学捜査班 シーズン1 第7話

第7話 惨劇の家 (米国放送:2000/11/17)

郊外で一家惨殺事件が発生。
家族6人のうち2人の姉妹は生き残る。
現場にはまずグリッソムとサラが向かい、チーム全員がこの事件の調査に当たる。
チーム全員が同じ事件を担当するのは珍しい。
グリッソムの事件に対する真摯な姿勢と、昇進には興味がなく現場に出て証拠と向き合うことが第一という彼の性格も伺える。
夜勤の主任であるグリッソムと昼番の主任エクリーの対立もこのエピソードから登場する。
またキャサリンの元夫が娘の養育権を奪い取ろうと福祉課に調査を依頼する。
一家惨殺事件そのものは衝撃的な結末を迎え、家では娘に対する父親の性的虐待があり、妹はなんと父と姉との間に生まれた子供だった。
その自らの子供を父親から守るため、姉がボーイフレンドに指示した犯行だった。
母親と兄弟まで殺されたのは、父親の性的虐待を見て見ぬ振りをして助けの手を差し伸べてくれなかったからである。

CSI:科学捜査班 シーズン1 第6話

第6話 犯罪の真実 (米国放送:2000/11/10)

グリッソムとニックは家の下で発見されたコンクリートに埋まった死体を担当。
キャサリンは自分の元夫が容疑者のレイプ事件を担当する。
一方ウォリックとサラは街中で自殺した男の調査をするが、事件現場にいた巡査を容疑者とすることでブラスと衝突する。
捜査が進むうちに警官とCSIの衝突が顕在化し、グリッソムとブラスが言い争う場面も。
しかし結局銃弾の発見により自殺は本当で、巡査の容疑は晴れた。
終盤にニックが銃を突きつけられる場面もあり、グリッソムが銃を構える姿を初めて目にすることになる。
キャサリンの夫の容疑も晴れ、レイプは被害者の狂言だったことが判明し一件落着する。
このエピソードは科学捜査の面白さと奥深さを象徴する1話といってよいだろう。
ちなみにこのエピソードで初めて検死官のアル・ロビンスが登場し、以後現在に至るまで活躍している。

CSI:科学捜査班 シーズン1 第5話

第5話 血しぶきの謎 (米国放送:2000/11/3)

起きた事件は3つ。
グリッソムとウォリックは砂漠で発見された死因不明の男の死体を担当。
サラはゴミ箱から出た死体、キャサリンとニックは学校で出た死体を担当。
グリッソムが捜査以外の、主任としての事務処理を面倒くさがるシーンが登場するが、このスタンスは以後も同じである。
グリッソムが薬の売人に対し感情を表に出すような場面もあり、また己の信条をウォリックに説く場面も。
要約すると証拠が全てであり、自分の希望や想いを証拠に託してはいけないと飛行機の中で出会った人物の話を聞き、悟ったというもの。
砂漠で見つかった死体は親友がドラッグの幻覚のせいで殺してしまったことが判明し、被疑者は困惑した後ひどく自責する。
その様子を見たグリッソムは深く同情し、夜のラスベガスで一人ジェットコースターに乗り遠く思いを馳せる。
ちなみにこのエピソードから、シーズン10にレギュラー入りする検死官のデヴィッド・フィリップスが登場する。

2013年4月5日金曜日

CSI:科学捜査班 シーズン1 第4話

第4話 不倫の果て DNAの証言 (米国放送:2000/10/27)

湖で切断された足が見つかりグリッソムとキャサリンが調査。
一方ニックとサラは学生クラブで見つかった首吊り死体の調査へ行き、ウォリックは公判へ証言しに向かう。
しかしウォリックは判事に証拠のもみ消しを頼まれ従うしかないと思われたが、信念に従いグリッソムに真実を話し判事は逮捕される。
ちなみにこの話でウォリックは本格的に復職し、階級もグレード3に上がる。
第2話から合流したサラがかなり馴染んできた印象。
またグリッソムの昆虫好きが垣間見れる微笑ましいシーンも。

CSI:科学捜査班 シーズン1 第3話

第3話 誘拐の罠 (米国放送:2000/10/20)

内容は身代金目的の誘拐と轢き逃げ事件。
前者の担当はグリッソム、サラ、ニック。
後者の担当はキャサリンとウォリック。
やっとシリーズ最初の自己紹介的な側面が薄れ、通常のストーリーになったという印象。
砂漠が舞台で事件現場の砂から人質を探し出す点がいかにもラスベガスらしい。
一見すぐに2つの事件とも解決かと思われたが、証拠を分析していくうちに両事件は二転三転する。
しかし苦労の末発見した証拠が決め手となり解決へと向かう。
ニックがグリッソムにしごかれているのが今から考えると面白い。

CSI:科学捜査班 シーズン1 第2話

第2話 呪いのジャックポット (米国放送:2000/10/13)

この話もグリッソム主任を語り部としてCSIの仕事とは何なのかを視聴者に語りかけるドラマの導入的な側面が強い。
だが2話目にしてそれぞれのキャラクターが垣間見え始め、更なる物語の展開を期待させる1話である。
ちなみにこの話からサラ・サイドルが登場する。

CSI:科学捜査班 シーズン1 第1話

第1話 非情の街 ラスベガス (米国放送:2000/10/6)

記念すべき大人気シリーズの第1話。
この時点で登場する主なメンバーはギル・グリッソム、キャサリン・ウィロウズ、ニック・ストークス、ウォリック・ブラウン、そしてジム・ブラス警部。
グレッグ・サンダースも登場するがまだこの時点ではCSIのメンバーではない。
だがラボの中ではキーパーソンになっている。
事件が4つ5つ入り混じって科学捜査の面白さを視聴者に投げかける1話。
同時にウォリック捜査官に主眼を当てつつ、グリッソム主任の言葉や女性捜査官の被弾等といったストーリー展開の中で、捜査に必要な信条や姿勢、証拠の重要性を視聴者に説くような側面も強い。
その意味で導入部分という色合いが強く自己紹介的な内容と言ってもいいだろう。
まさにアメリカ1の人気シリーズに相応しい幕開けとなっている。
余談だがとにかくグリッソムが若い。

ブログ始めました!

ブログを始めてみました。
パーソナルな日常を綴るつもりはまったくなくて、映画のレビュー・海外ドラマのアーカイブ・音楽やカフェの情報共有といった情報発信ツールとして僕なりに書いていきたいと思っています。
とりあえず映画館、DVD問わずここ最近観た映画のレビューを10点満点の点数と一緒にどんどん書いていくつもりです。それから今年のうちに大好きなCSI:科学捜査班(マイアミ・NY含む)のおよそ30シーズンをアメリカでの放送順に今一度全部見返していくつもりなので、それに関しても各話のストーリーとちょっとしたコメントを書いていきます。あとは気が向いたら音楽・カフェの情報も発信していきたいと思っている次第です。
多分知り合いの人しか読まないと思いますが、1人でも誰かがこのブログを参考に映画館に足を運んでくれたりDVDを借りに行ってくれたりしたら幸せこの上ないです。
つまらないブログになると思いますがどうかよろしくお願いします!