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2015年5月1日金曜日

バードマン あるいは (無知がもたらす予期せぬ奇跡) (2014・米) [8.5/10]

観てから少し時間が経ってしまいましたが、バードマンを。
これまだ観てない人は絶対劇場に行くべきです!

先にアカデミー賞の話をすると、このバードマンは第87回アカデミー賞にて作品賞・監督賞・脚本賞・撮影賞の4部門を受賞。
今回のアカデミー賞の台風の目ですね。
監督はアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ、日本では「バベル」が有名ですが個人的には「ビューティフル」ですこの監督といえば。
そして主演は惜しくもオスカー受賞を逃したマイケル・キートン。
この人実際にティム・バートンが撮ったバットマンシリーズで、バットマンを演じているから面白い。
またエドワート・ノートンやエマ・ストーンといった周りを彩る役者の皆さんも豪華。

この映画は過去に"バードマン"として一世を風靡した俳優リーガン・トムソンが主役。
自身が主演・演出を務めるブロードウェイ舞台のプレビュー公演~本公演までの話。
マイケル・キートン自身とも重なると様々んメディアで言われていましたが、一世を風靡した主役のリーガンも今やすっかり落ちぶれたアクション俳優。
そんな彼の過去の栄光や成功への執着、そして新しく生まれ変わり今こそ次への一歩を踏み出すべきという自分との間で、終始葛藤します。

日数でいうと数日間の話なんですが、これがまったく飽きない。
ストーリー展開そのものは秀でて面白い訳じゃないんだけど、この映画は撮り方が独特。
日本だと三谷幸喜監督がワンカットの映画を撮ったりしてますけど、バードマンもワンカットに見える(実際にはそうではない)つくりになっていて、すごく奇妙で画期的。
撮影賞を受賞したのは当然で、こんな映画観たことないという感覚になる。
流石に全編ワンカットではないものの、実際の1カットも非常に長く、俳優陣の演技を存分に堪能できる。

またこの映画は暗喩するような内容も多く、直接スクリーンでは描かれていないものの、観客の解釈にヒントを与える描写は度々登場する。
観終わったあとに一緒に観た友人と各シーンの解釈について話をすると、意見が食い違ったりして面白い限り。
特にラストシーンも(WOWOWでのアカデミー賞生放送の際、寺島しのぶさんのネタバレ発言が話題になったりしましたが...)解釈の余地が残されており、それによりこの映画をどういう映画と結論づけるか変わってくるので、いろんな人と意見交換するとよいかも。

個人的にはエマ・ストーンの演技がかなりツボでした。
ここ何年かのアカデミー賞作品賞受賞作の中ではあまりシリアスでなく、観やすい映画だと思うので、是非チェックしてみてください。

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