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2013年6月26日水曜日

恋の罪 (2011・日) [6.5/10]

2011年の園子温監督の映画。
前作"冷たい熱帯魚"に続いて実際の事件を元にしたサスペンスである。
この映画もかなり強烈な映画ですね。
ちなみに主演の水野美紀がヌードになったことが話題になり興行的にもかなり成功した映画です。
題材になっている事件は東電OL殺人事件と呼ばれる事件で、東電の女性社員の遺体が渋谷区円山町のアパートの空室で発見されたが、この被害者の女性が東電初の女性総合職として入社するなどエリートな一面を持っている一方、夜は円山町界隈で売春を行っていた事実がマスコミによって大きく取り上げられ、被害者のプライバシーの問題を含め大きな話題・議論を呼んだ。
劇中でも冒頭でラブホテル街にあるアパートの一室で女性の変死体(実際の事件は絞殺)が発見される。
この事件を水野美紀演じる刑事の吉田和子が捜査していく過程で、大学助教授である尾沢美津子と著名な小説家の妻である菊池いずみが浮かび上がる。
この映画は和子が主役という設定になってるけど実際主役に近いのはいずみだと思います。
いずみは著名な小説家を夫に持ち幸せな日々を過ごす中で何か新しいことに挑戦してみたいという思いから昼間にスーパーでパートを始める。
そこである女性に声を掛けられスカウトされるのだが、それが彼女の運命を大きく変えることになる。
ひょんなことからAVに出演してしまいそこから欲望のカルマへと堕ちていく過程で、円山町で売春を行っている美津子に出会う。
それがまた更なる奈落の底への入口なのであった...というのが大まかな内容。
劇中の設定で被害者の女性は東電OLから有名大学の助教授に置き換えられています。
この美津子を演じる冨樫真がとにかく強烈です。
「ようこそ、愛の地獄へ」というキャッチコピーも鮮烈だが、この映画全体に漂う抗えない愛欲への衝動というテーマも強烈なものがあります。
特に神楽坂恵演じるいずみが普通の主婦からどんどん欲望の渦の中へと引きずり込まれ売春婦となり、そこからさらに堕ちていく様は惹かれるものがあります。
ラストはそういう意味で圧巻の結末が待っています。
この映画は説明するのが難しい作品な気がするので、実際に観てほしい!
好きな人はすごく好きな作品だと思います。

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