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2013年4月8日月曜日

スイミング・プール (2003・英、仏) [7.0/10]

フランスの新鋭フランソワ・オゾンが放つミステリー映画。
女性推理作家のサラが執筆活動のため静かなフランスの別荘にやって来る。
そこでジュリーという美女に出会い、サラは自由奔放な彼女に興味を抱き、彼女を題材にした作品を創作し始めるがそこである重大な事件が起きる...というのが大まかな内容。
作品を通して重厚な緊張感が漂い、色彩のトーンも淡くて暗い。
ストーリーそのものも謎が多く、全体的に静か且つ暗い。
妄想と現実が交錯し、初見では理解がかなり難しい。
特に最後の最後に物語全体を覆す謎が提示され、ジュリーが一体何者だったのか分からないまま作品は終わる。
題名の通りプールが一つの舞台になっており、水面の反射や水面越しのアングルが印象的。
室内のシーンでも鏡やガラスに反射する被写体を映していることが多い。
また食事をしているシーンで顕著だが、顔の寄りのアングルのまま固定されしばらく動かさない場面も多い。
それに耐えうる両者の演技が素晴らしく、不気味な程両者の胸の内が読めない。
特にシャーロット・ランプリングの怪演が見物で、セリフは少なく表情による演技が多い。
音響も効果的で、緊張感増幅に一役買っている。
この作品は監督曰く、解釈は観客の自由なので劇中の謎は明かされないものが多い。
エヴァンゲリオン的な要素だが、そういう作品を好まない人にはあまりオススメ出来ません。

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